最高裁判所第一小法廷 昭和32(オ)1076 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
論旨第一点について。
原審は、その挙示の証拠により適法に、被上告人には本件養子縁組をする意思の
なかつたものであつて、甲一二号証の養子縁組届は被上告人不知の間にその意思に
基かないでなされたとの事実を確定している。されば、本件養子縁組はこれを無効
と解すべきものであつて、この点に関する原判示は正当である(なお、昭和四年五
月一八日大審院判決、民集八巻五〇〇頁参照)。引用の判例は、旧民法八四二条の
「夫婦ノ一方カ其意思ヲ表示スルコト能ハルトキ」に当る場合の判例であつて、本
件に適切でない。
同第二点について。
原審挙示の証拠によれば、所論原審の認定は是認出来る。所論はひつきよう原審
の裁量に属する証拠の取捨、事実の認定を非難するに帰し、採るを得ない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 下 飯 坂 潤 夫
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